2021年04月19日

イギリスのコロナ対策


こんにちは。ブリストル在住のイギリス現地スタッフの万波です。
中学生、高校生のための不登校からのリスタート留学やスキルアップ留学をサポートしています。

前回のブログでは、2020年のイギリス留学を振り返り、2021年は少しでも普通の留学生活が戻ってくる事を願っていました。
しかし残念ながら、1月5日に留学生をヒースロー空港に迎えに行く前日、イギリス国内の全面ロックダウンが発表され、3月29日まで長いロックダウンに入ってしまいました。
ご存知のようにイギリスの冬は、長く暗く雨の多い忍耐の季節。
前回のロックダウンは、お天気に恵まれて1日1回の散歩や外出を楽しめたものの、今回の2回目のロックダウンは、非常に厳しい状態でした。

そんな暗いニュースが多い中、イギリスでは12月末からワクチン接種が始まりました。
1日の感染者が6万人を突破した時期もありましたが、今では1日2000?3000人に減りました。
死者数は毎日一桁台に減り、これもロックダウンとワクチン接種プログラムが大至急で行われている成果でしょう。
4月15日時点で約3100万人が第1回目のワクチン接種を終えました。
先週からは、45歳以上50歳未満の国民がワクチンを受けることが出来るようになりました。

ワクチンを受けると、このカードを渡されます。裏側には、接種者の名前、ワクチンの種類(アストラゼニカなど)、接種日、ワクチン製造番号が記載されています。

また、現在ワクチン接種に並行して行われているのが、中高生対象の「Lateral Flow testing」という簡易的なコロナ検査の義務付けです。
3月8日から小中高校の全面的な学校再開が始まりましたので、この検査義務付けは、中高生経由での感染を避ける対応の一環です。

中高生は自宅で週2回の検査を行い、NHS(National Health Service/国営医療サービス)と学校にアプリで結果を登録します。この検査で陽性が出た場合は、PCR検査を受けに行かなければなりません。
寮生活の生徒達は、寮で担当の方が週に2回検査してくれています。

学校からこのようなキットが配布されます。

Sの所に唾液と検査薬を混ぜたものを数滴落とすと、30分後に陽性か陰性の反応が出ます。写真ではCの場所に赤い線が入っているので、陰性です。上部のQRコードで指定のアプリに結果を登録します。

この簡易検査によって感染している生徒を確定できる為、一人の感染者の為にクラスまたは学年全員が自宅隔離する必要がなくなりました。
この簡易検査への信用性は賛否両論ですが、ロックダウン脱出、感染拡大を防ぐという意味では、ワクチン接種と並行して続けていってほしいですね。

先週からロックダウン緩和策ステップ2として、食品以外などのお店、レストラン、パブ(屋外席のみ)、美容院、ジム、動物園などが再開されました。
少しずつですが、ロックダウン以前の生活が戻りつつあります。

そして来月5月17日からは室内エンターティメント、映画館、レストランも室内で食事が楽しめるようになります。
そして、海外旅行も可能に!?
イギリス人にとって夏のバカンスはとても重要なイベントなので、1年以上も国外にバカンスに出ていない人達が、どの国に自宅隔離なしで休暇に行っていいのか、首を長くして政府の発表を待っています。
しかし、ヨーロッパは現在のところ第3波で最悪な状況になっている為、イギリス政府がどういう判断を下すのか興味深いところです。

マヨルカ島のビーチが懐かしい。

現在の日本からの留学生の皆さんは、イギリス入国前に日本でPCR検査を受け陰性であることが義務付けられ、イギリス入国後は5日間の隔離後に陰性と出れば、隔離終了となるシステムです。
これも5月17日に変更される可能性は大きいでしょう。

イギリス政府は、6月21日には細かい規制を全て解除する予定です。
そんな夢のような普通の生活が戻ってくるのかは信じ難い感じですが、「Finger cross」希望を持って、その日を待ちたいと思います。

寮生活の生徒さん達もチームスポーツが行えるようになったり、室内でも行えるクラブ活動が始まったりしています。
小さいステップではありますが、少しずつ元の学校生活に戻れるように、そして二度とロックダウン状態に戻らないようになることを願っています。

不登校からのリスタート留学やスキルアップ留学を通して、イギリスでお会いできることを楽しみにしています。



【スタッフ紹介】
万波千江。兵庫県出身。1995年に語学留学で渡英。現在は、イギリス人の夫、長男、次男、アルゴ(ウィペット犬)と共にブリストル郊外に在住。BBC Radio 4をこよなく愛する。英語力の上達とイギリス文化を知るにはBBC Radio 4を聴くのが一番のおすすめだとのこと。アウトドア大好き家族なので、一年を通してハイキング、サイクリング、サーフィンに出かけることが多い。


~この記事の著者~

WSO センター