2025年11月13日

NZ高校卒ベテランカウンセラー清水のコラム Vol.2


AI時代にこそ、人と人が向き合う力が問われる
画面の向こうでは得られない「リアルな関わり」の価値


前回に続いてー「人間関係の価値」についてもう一歩深く
前回のコラムでは、「AIやデジタルに委ねられつつある人間関係」について触れました。
今回もそのテーマを掘り下げていきます。
正直、このテーマにどれだけ需要があるかは分かりません。
ですが、一部の方から「心に刺さった」と言っていただけたので、今回もこのスタイルで書かせていただきます。
私は高校時代に3年半の留学経験を経て、不登校からのリスタート留学を掲げるWSOセンターに9年間勤務し、これまで何百人もの生徒をサポートしてきました。
ここで書く内容は、あくまで一教育者・一スタッフとしての私個人の意見として読んでいただけたら嬉しいです。

テクノロジーが進化しても、リアルは失われない
AIが文章をつくり、翻訳をし、オンラインで世界中の人と話せる。
私たちは、まさにそんな便利な時代を生きています。
けれど、画面越しの関係では、相手の息づかいや空気の温度、言葉にならない間の取り方までは伝わりません。
便利になればなるほど、コミュニケーションは「効率化」され、表面的なやりとりで満足してしまう。
これが、現代の大きな落とし穴だと感じています。

「情報を扱う力」より、「他者と生きる力」を
未来を生きる上で本当に必要なのは、情報処理能力よりも、
他者を理解し、共に生きる力です。
AIや自動化が進むほど、人間に求められるのは「人間らしい感受性」と「関係性を築く力」。
これこそ、テクノロジーでは代替できない部分だと思います。

留学でこそ出会える「不便さ」と「人間の温度」
海外での生活は、思い通りにならないことの連続です。
言葉が通じない、文化が違う、生活習慣に戸惑うー。
でも、その「不便さ」こそが人を成長させます。
ホームステイでは、家庭ごとに異なる文化や価値観に触れます。
食卓で交わす何気ない会話や、家族との関わり方の違いを通じて、
自分の中の“当たり前”を問い直す時間が生まれるのです。
これは、どんな教科書やオンライン授業でも得られない、生きた国際感覚です。

「理解」とは、情報処理ではなく“共感”と“想像”
AIがどれほど発達しても、「人を理解する」という行為だけは人間にしかできません。
なぜなら、理解とは単なる情報の受け取りではなく、共感し、想像する行為だからです。
人は、相手の感情を感じ取り、言葉にならない想いを汲み取ることで信頼を築きます。
その過程にある“予測不能な揺らぎ”こそが人間らしさの本質であり、
その“揺らぎ”を体験できるのが、異文化とのリアルな関わりだと私は思います。

「AIに奪われない力」はリアルな人間関係の中にある
AIが仕事を奪うーそんな言葉をよく聞きます。
しかし、本当に求められるのは、AIにはできないことを考え、形にできる人です。
そのためには、他者と協働し、文化を超えて共感を生み出す力が欠かせません。
それは、オンラインではなくリアルな人間関係の中でしか磨けない力です。
この力こそ、テクノロジーがいくら進化しても置き換えられない、人間の根源的な知性だと思います。
だからこそ、今の時代にこそ「現地に身を置き、他者と関わる体験」が、
未来を生き抜くための最大の資産になるのです。

未来の日本で求められる“文化を越える力”
10代の皆さんが大人になる頃、
職場には外国人が当たり前にいて、多様な文化が共存する社会になっているでしょう。
そのとき、文化を越えてコミュニケーションを取れる力がどれだけ価値を持つか。
それを想像すれば、今からリアルな国際体験をする意義が見えてきます。
テクノロジーは人を補う道具であって、人間そのものを置き換えるものではありません。
画面越しでは感じられない「他者の存在」に触れ、
自分の感情が動く―その瞬間こそが、人間としての“真理”に近い学びなのです。
そして、その学びを最も確実に得られる道のひとつが、留学という選択です。

ここだけは、ぜひ読んでください!
いまや留学は珍しいものではありません。
しかし、どこから、どのように留学するかがとても重要になっています。
WSOセンターは、単なる留学エージェントではありません。
私たちは、教育者として、生徒一人ひとりの「これからの生き方」に寄り添う存在でありたいと考えています。
「海外に行くこと」が目的ではなく、
海外でのリアルな経験を通して、自分を見つめ直し、世界とつながる力を育てること。
それが、私たちが目指す“本当の留学”です。
WSOセンターから留学する生徒には、
現地で「リアルの価値」に気づかせてくれるスタッフがいます。
そして、その経験の意味を共に考え、深め、次の一歩へ導くサポートがあります。
だからこそ、中高生の留学は、不登校の経験があってもなくてもー
「WSOセンターから行く意味」があるのです。

留学は、自分の「未来の生き方」を探す旅
留学は、ただ環境を変えるための旅ではありません。
それは、自分の生き方を見つけるための旅です。
そして私たちは、その旅に並走する“教育者”であり続けたい。
そう強く思っています。

前回のコラムはこちらから ⇒⇒ 『NZ高校卒ベテランカウンセラー清水のコラム Vol.1』

※リスタート留学とは、成績不振・長期欠席・意欲低下でお悩みの方や、朝起きられない状態・保健室登校の状態の方が中学高校留学と現地サポートを通じて、個々の悩みや問題点を改善・克服する留学です。



清水雄太。東京生まれ東京育ち。東京オフィス勤務。高校一年生の5月からクライストチャーチ・カシミアハイスクールに3年半の留学経験あり。将来の夢はニュージーランドに移住すること。オールブラックスの大ファン。趣味で休日平日問わず体を動かし、夜な夜なゲームをするのを楽しんでいる。最近はゴルフを始め、ゴルフに夢中になっている。得意なサポートスタイルは生徒の心に寄り添うサポート。


~この記事の著者~

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